生活習慣病:肺気腫



生活習慣病:肺気腫

 

生活習慣病:肺気腫

 

肺胞が壊れ気腫性変化で気腔形成

 

肺には何億個もの小さな粟粒のような肺胞(3分の1mmくらいの気泡のような組織)があり、絶えず伸縮を繰り返して空気の出し入れをしています(換気)。

 

この肺胞を包むように微小な血管が張りめぐらされて、呼吸で吸い込んだ新鮮な空気が血液中に酸素を取り込むガス交換が行われています。

 

この肺胞が喫煙や大気汚染などの刺激に長い間さらされたり、肺炎などの微生物の感染が繰り返されていると、肺胞の組織が次第に損なわれ弾力性がなくなってきます。

 

ガス交換ができにくくなり、入った空気が出られないという状態になって、小さな肺胞がどんどんふくれてきます。

 

ついには隣り合ったもの同士が一つにあわさり、次第に大きな気腔を形成してきます。

 

これを気腫性変化といっています。

 

肺胞の気腫性変化は病気が原因でおこったり、精神的なストレスや過労、栄養状態などが進行を促進させる因子として働くことも、当然考えられます。

 

肺気腫の一般的な症状

 

基本的な自覚症状は呼吸困難で病状によって差はありますが、多くは入浴時や労作時には強まる傾向があります。

 

またせき、たん、浮腫、頭痛などの他、バチ状指やチアノーゼとなることもあります。

 

病状が進むと、ビール樽状に胸の前後径が広がって、口をすぼめてゆっくりと息を吐くようになります。

 

聴診すると呼吸音が非常に弱く、息を吐くときに「ヒュー」とか「ピー」というラッセル音が聞きとれますが、ひどくなると呼気時に音がほとんど聞かれなくなることがあります。

 

進行すると栄養不良や筋肉の萎縮がおきたり抑うつ的気分になったりします。

 

失われた肺機能は戻らない

 

気腫性変化が拡大していくと、気腔はさらに大きくなってブラといわれる袋状の気腫性嚢胞になります。

 

ブラはもはや肺としての機能を果たすことはありません。

 

健康を維持するためには病気が発現してからでは遅過ぎることを知るべきです。

 

ブラが形成されると、その部分の肺胞はなくなってしまい、周辺の肺胞にも気腫性変化が広がるので、肺のガス交換機能はますます低下してしまいます。

 

肺としての残存機能はこの段階で、すでにかなり制限されているので、ちょっと動いただけでもすぐ息切れするようになります。

 

坂道や駅の階段を昇るのが非常に苦しくなってきます。

 

坂道や階段ですぐ息切れするものには、肺炎、肺結核などの呼吸器疾患を始め、貧血、心臓疾患(狭心症や心筋梗塞)などいろいろな病気があげられますが、肺気腫も重要な疾患の一つです。

 

喫煙や大気汚染をさける

 

肺気腫の病巣が形成されるまでには、ふつうは何十年もかかります。

 

肺炎のような微生物汚染の繰り返しも原因になることがありますが、日常生活の中のたばこの煙や大気汚染のほうが、もっと大きな原因として作用することを考えるべきでしょう。

 

喫煙や大気汚染のような呼吸をする空気からの継続的な刺激は何年も何十年もかけて肺胞の組織を破壊しつづけ、40歳、50歳のころにようやく病気となって現れてきます。

 

したがって肺気腫にならないためには、喫煙者はまずたばこをやめること、また職場や居住環境の空気の汚染があったら、できるだけそれをさけて生活するように心がけることが大切です。



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