生活習慣病:胃潰瘍



生活習慣病:胃潰瘍

 

生活習慣病:胃潰瘍

 

胃壁のただれや壊死で穴があく胃潰瘍

 

胃の内側は粘膜で覆われ、粘膜の下は粘膜筋板、さらにその下は粘膜下組織、筋層、漿膜層の順に厚い胃壁を形造っています。

 

この粘膜にただれや細胞の壊死が生じ、粘膜が欠損し穴があくなどの異常がおこることを胃潰瘍といいます。

 

胃につづく十二指腸も同じような粘膜構造をもち、そこにできる潰瘍を十二指腸潰瘍といいます。

 

胃潰瘍ができやすいのは小彎で、その下部の胃角の内側は最もできやすいところです。

 

攻撃因子と防御因子のアンバランス

 

胃は胃酸やペプシンを含む消化液を分泌して、食べたものを消化します。

 

胃自身は消化力が非常に強いこの消化液から自分を守るために、粘液を分泌して胃の内側の粘膜を覆っています。

 

健康な胃は粘液分泌で粘膜を保護しながら(防御因子)、最大限に消化を進めるために消化液の分泌を高め(攻撃因子)、つねにバランスを保っています。

 

胃潰瘍はこのバランスが崩れ、相対的に攻撃因子が強くなっておこると考えられています。

 

このような攻撃と防御の因子のアンバランスがおこる理由は、くわしいことは明らかではありませんが、大けがで苦しむときや強い精神的ストレスがあると、胃の働きを調節している自律神経に乱れが生じ、胃潰瘍が発生することが多くなることがわかっています。

 

このような潰瘍を消化性潰瘍も呼んでいます。

 

また、ヘリコバクターピロリという胃の中の抗酸菌が胃潰瘍の形成に深くかかわっていることも明らかとなっています。

 

胃潰瘍の3大症状

 

胃潰瘍の症状を大別すると、3つになります。

 

腹痛、しつこい胃部不快感(胸やけ、げっぷなど)、出血(吐血、下血)ですが、人によって症状のおこり方が異なります。

 

一つの症状が際立って他はあまりおこらない場合、3つの症状がいずれも強く現れる場合などさまざまです。

 

また、吐き気、嘔吐、腹部膨満感、食欲減退、便秘などの消化器症状が現れる場合もあります。

 

腹痛

 

いちばん多い症状は腹痛ですが、潰瘍のできたところや程度によって痛みのおこり方は一様ではありません。

 

みぞおち周辺の上腹部痛が多く(症状の約60%)、食後30分くらいから痛み出しますが、あまり一定していない場合も少なくありません。

 

上腹部に激痛がおこるときは、穴が胃壁を突き破って(穿孔)腹膜炎をおこしていることがあります。

 

激痛で脂汗を流し唇は紫色になる(チアノーゼ)など苦しみますから、ただちに手術が受けられる病院に搬送しなければなりません。

 

出血

 

胃壁の中には血管が網の目のようにたくさん通っています。

 

粘膜から潰瘍が進むとこの血管を破ることになり、胃の中に出血します。

 

破れた血管が太いと潰瘍が小さくても出血が激しく、深く広がった潰瘍でも破れる血管が細く少なければ出血は少量です。

 

少量の出血では便に混じる(下血)程度で肉眼ではわかりにくく、他の症状がなければ胃潰瘍と気づかないので便潜血検査で調べます。

 

出血量が多いと下血は黒いタールのようになり(タール便)、肉眼でもわかります。

 

また胃の内容物とともに嘔吐する場合は吐血といわれます。

 

急に大量出血をすると顔面は蒼白となり、血圧が下がり、脈も速くなり、貧血の状態になります。

 

さらに出血が進むと出血性ショック状態になって、ただちに医師の手当を受けなければ生命にかかわります。



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